スケルトン状態から作った病院(クリニック)や飲食店のトイレが詰まりやすい原因

トイレつまり

飲食店内装イメージ

病院(クリニック)や飲食店を開業(開店)する方が貸しビルの一部の区分を『スケルトン』と呼ばれる状態で賃貸契約をすることがよくあります。

スケルトン? 何それ、ガイコツ? と思う方もいらっしゃいますよね。
スケルトンという言葉は、貸店舗を探す際によく目にするワードで、壁や天井、床などの内装がない状態を意味します。
よく「居ぬき」という言葉を耳にしませんか。
内装(什器を含む場合もあり)が前の店舗の状態を保って新しい店舗にすることを居ぬきと言います。

スケルトンとはこの居ぬきと反対の状態を指すもので、見た目はコンクリートむき出しの状態が多いと思います。

スケルトン状態で賃貸契約を結ぶ場合は、キッチン、トイレなど水道設備は給排水の接続口が一箇所のみ設置された状態なことが多い傾向にあります。この場合、給水・排水をその接続口につなぐことになるのです。

今回はスケルトン状態から作った物件のトイレがつまりやすい原因について解説いたします。

オフィスと店舗の内装工事の違い

飲食店内装イメージ

(※上はイメージ画像です)

スケルトン状態、壁床コンクリートむき出しの状態で賃貸契約を結んだ貸しビルの一部を内装工事することで、オフィスらしい空間、店舗らしい空間、クリニックらしい空間にします。
おしゃれなカフェ風、昭和レトロ喫茶店風、清潔感あふれる空間などテーマに合わせて内装工事をするのです。

このようにオフィスや飲食店、クリニックなど、それぞれの用途に応じた内装の配置、デザインを決めて設計・施工を進めていきます。

【オフィス】

オフィス目的で契約をする場合は、自社スタッフが働きやすい区割りが優先されることが多いと言えます。
オフィスにトイレを設置する場合は、排水接続口の近くにして、将来的に水周りでの問題が発生する可能性が低い場所を選ぶことが多いでしょう。

【飲食店・クリニック】

飲食店やクリニックの場合はスタッフの同線は当然ながら、客席や待合室の配置、お客さまが歩きやすい空間などが優先される傾向にあります。

飲食店やクリニックでは、入り口を入ってすぐの場所にトイレが設置されていることはほぼありません。
入り口を入って奥側のやや目立たない箇所に設置されやすいです。
(よく行くクリニックや飲食店の店内構図をぜひ思い出してみてください。おそらく奥のほうにトイレがあるかと思います。)

【飲食店やクリニックのトイレが奥のほうにある理由とは】

飲食店やクリニックのトイレが奥の方の目立たない場所に設置されている理由について解説します。

飲食店の場合は、どうしても清潔なことが重要で、トイレが客席の近くや手前側にあることは好まれません。
このページを読んでいる方のなかにも、トイレが客席に近いと気になる方もいらっしゃるでしょう。

クリニックの場合も同様です。
クリニックの受付の横や待合所の手前側など目立つ箇所にトイレがあることを避ける傾向があり、目立たない箇所に設置されます。

トイレを使用する側にとっても、目立たない場所のほうが落ち着きますよね。奥の方が落ち着くという方もたくさんいらっしゃるはずです。

クリニックや飲食店では清潔感を第一にして設計されるため、トイレの位置はそれを考慮して決められることが多いと言うことができます。

オフィスと飲食店・クリニックのトイレ設置の違いをまとめます。

オフィス不具合が発生する可能性が低い排水接続口の近くに設置
飲食店・クリニックなど奥側の目立たない場所に設置

入り口や客席などの設置は避けられがち

 

空間デザインの観点から場所が決まったトイレ

トイレイメージ

すでに紹介したようにクリニックや飲食店では奥まった位置にトイレを設置することが多く、排水接続口から遠い位置にトイレが作られることも少なくはありません。

排水接続口からトイレまでの距離が長い場合はデメリットがあります。
トイレと排水接続口の距離が長ければ長いほど、排水管の勾配がとりづらいのです。

勾配(こうばい)とは傾き、傾斜のことです。
排水管は基本的に斜めに設置され、傾きを付けることで水がスムーズに流れるよう設計されています。

また排水接続口からトイレが遠くなるほど床と水平の配管に近づくため、トイレの水の流れが悪くなります

つまり、排水接続口からトイレが遠くなればなるほど、排水がスムーズに流れず、トイレがつまりやすくなるのです。

内装工事の設計は専門知識を持つ方が行うことがほとんどで、設計士さんであればトイレを排水接続口付近に設置する計画を立てたい方が多いはずです。しかし、飲食店やクリニックなどのオーナーに設計士さんがトイレの位置を指定しにくいと思います。

トイレの位置を提案したとしても、デザイン性、清潔感を優先したいと却下されることもあるでしょう。
そのため、本当はトイレを排水接続口付近に設置すべきにも関わらず、実際には遠くに設置されることが多々あるのが現実です。

排水管の勾配が不足しているトイレ

やや専門的な内容となりますが、トイレ排水管の勾配は「1/100勾配」が理想とされています。

くわしく解説いたしますね!
100メートルの配管の場合、上下勾配は1メートルになります。

勾配補足説明

(※簡易的に手書きをしたものであるため、実際の傾きとは異なります。)

100センチの配管の場合は、1センチ下げて勾配をつけます。

すでに紹介したように、排水がスムーズに流れるようにするために勾配をつけます。
(わかりにくい方は流しそうめんをご想像ください。流しそうめんは滑り台のように斜めに設置されているため、水とそうめんがスムーズにながれますよ)

さて、1/100勾配が理想だとご説明いたしましたが、実際は店舗やクリニックなどでは勾配がつけられないことも多くあるのです。

お客さまが歩きやすくするために床の段差を大きくできない店舗や、床下の高さを高くすることで店舗入り口に大きな段差ができてしまう店舗では排水管にとって理想の配置はできずに、トイレ排水管の勾配がうまくつけられないことがあります。

勾配がほぼないトイレ排水管では排水の流れが極端に悪くトイレがすぐにつまりやすくなるため、注意が必要です。

点検をしますのでまずはお問合せください

飲食店やクリニックでトイレが頻繁につまる場合は、当社にご相談ください。

つまりやすい原因をお調べいたします。
今回はトイレ排水管の勾配がついていないこといついてくわしく書きましたが、それ以外にもトイレがつまりやすい原因はたくさんあるため、実際に現地で点検をしないとわからないことも多々あります。

まずはお気軽にお問合せください。

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