トイレタンクの上部にある手洗い管から水は出ているものの、タンク内には水が溜まらないトラブルがあります。また、水が出ている音はするものの、トイレタンクには水が溜まらないことも…。
このようなトラブルは珍しいものではなく、比較的よくあるトイレトラブルの1つと言えます。
このページでは、トイレタンクに水が溜まらずに、便器に流れ続ける原因とその修理方法について解説していきます。もしものことがありましたら、ぜひお役立てください。
まずは水を止める
トイレタンクに水がたまらずに、トイレ便器に水が流れ続ける場合は、まず応急処置として水を止める必要があります。ここでは、トイレの止水方法をご紹介しています。
まず、トイレには止水栓(しすいせん)と呼ばれる水栓金具があります。こちらを回して止水することでトイレに供給される水がストップします。止水栓はトイレ室内にあります。
トイレ止水栓はタンク横か便器横の床面にありますのでお探しください。マイナスドライバーを使用して止水栓を時計回り(右回り)にまわせば、水が止まります。マイナスドライバーがない場合は、100円玉など硬貨で代用が可能です。
場所 | トイレ室内 |
止水方法 | 時計回り(右回り)にまわす |
必要なもの | 100円玉など硬貨、またはマイナスドライバー |
硬くて止水栓が回らない場合もあろうかと思います。無理に力いっぱい止水栓を回すことで、使用されているパーツが破損してこの部分から水漏れすることもあり得ます…。硬い場合は無理はなさらずに、次でご紹介する方法をお試しください。
止水方法|戸建て住宅の場合
戸建て住宅の場合は、水道元栓(すいどうもとせん)を閉めることで修理が可能です。水道元栓はトイレ室内ではなく、屋外にあります。ご自宅敷地内の地面に「量水器」と書いてあるフタがないかご確認ください。四角い青いフタか金属製の四角いフタを見つけたら開けてみましょう。マイナスドライバーを差し込むと開けやすいと思います。
すぐに水道メーターが目にとまるかと思いますが、その隣に水道元栓があります。水道元栓はレバータイプとハンドルタイプに分かれています。それぞれの閉め方をご覧ください。
【レバータイプの水道元栓】
レバータイプであれば、反対側に倒すことで止水ができます。
【ハンドルタイプの水道元栓】
ハンドルタイプの場合は、時計回り(右回り)にまわすことで止水が可能です。
【蝶ネクタイ型】
蝶ネクタイのような形になっているタイプの水道元栓は90度回して止水をしてください。
水道元栓をしめたら、トイレ室内に戻り漏水が止まっているか確認してみてください。
場所 | 自宅敷地内の地面 |
止水方法 | ハンドルタイプ:時計回り(右回り)にまわす。レバータイプ:反対側に倒す |
必要なもの | 特になし |
止水方法|マンション、アパートの場合
マンション、アパートの場合は、ご自宅の玄関扉の左右どちらかにある金属製扉の中に水道元栓があります。金属製扉の中に水道元栓がない場合は1階の通路など建物の敷地内に四角いフタが並んでいるところがないか見てください。
間違えて、隣のお部屋の水道元栓を閉めないようにご注意ください。水道元栓を見つけたら、ハンドルタイプは右回り(時計回り)にまわし、レバータイプは反対側に倒して止水します。
場所 | 玄関扉の左右どちらかにある金属製扉内 |
止水方法 | ハンドルタイプ:時計回り(右回り)にまわす。レバータイプ:反対側に倒す |
必要なもの | 特になし |
なお、こちらはあくまで応急処置です。水の供給を一時的に停止することで、便器に水が流れ続けるのを止めているだけです。便器に水が流れ続けて、タンクに水が溜まらないトラブルは、自然には直りませんので、業者を呼ぶことをおすすめします。
水道元栓をしめると、ご自宅内への水の供給が停止します。トイレだけでなく、風呂場、キッチン、洗面所など全ての給水が止まります。
トイレメーカー別にみるタンクに水が溜まらない原因
トイレ商品製造は次のメーカーが有名です。
- TOTO
- リクシル(INAX)
- パナソニック(ナショナル)
- ジャニス(Janis)
- アサヒ陶器
みなさん、TOTO社とリクシル社は有名ですのでご存じかと思います。国内で使用されているトイレはTOTO製とリクシル製のものが非常に多く、みなさんがご使用されているのもこの2社のうちのどちらかかと思います。ここではTOTO社製のトイレと、INAX社製のトイレでタンクに水が溜まらない原因を見てみましょう。
タンクに水が溜まらない原因|TOTOトイレ
上の画像はトイレタンク内を図解したものです。タンク内には複数のパーツが入っていて、それぞれが機能して連動することでタンク内に溜まった水が便器へと流れていきます。タンク底には、フロートゴム(フロートバルブ)というパーツがあります。これはタンクの底の「栓」の役割をしていて、フロートゴムが開くと水がジャーっと流れていきます。しばらくするとこのフロートゴムが閉じるので、タンクの水が便器へ流れなくなります。
タンクに水が溜まらないトラブルで、考えられるのはフロートゴムの劣化による変形です。フロートゴムが劣化して変形すると、栓が開いたままになり、閉じないため水が流れ続け、タンクに水が溜まらなくなるのです。
タンクに水が溜まらない原因|INAXトイレ
INAXトイレの場合は、タンクのなかのパーツであるオーバーフロー管が破損していることが考えられます。オーバーフロー管が折れている場合や、ひび割れている場合だと、その部分から水が吸い込まれてトイレ便器に水が流れ続けてしまうのです。そのため、タンクにも水が溜まらなくなります。このオーバーフロー管は交換が可能ですので、新しいものに交換をして修理をしていきます。
タンクに水が溜まらない場合は水が流れ続けます
タンク内に水が溜まらない場合は、トイレ便器内に水が流れ続ける特徴があります。ジャージャーという音や、チョロチョロという音が出るのです。便器に水が流れ続ければ、音も気になるだけでなく、水道代の心配もありますよね…。最初に紹介した止水方法(トイレ止水栓または水道元栓)をぜひお試しください。
TOTOトイレの修理
TOTOトイレの場合は、フロートゴムが開いたままで閉じないことが原因であるとすでにご紹介させていただきました。フロートゴムが劣化している可能性がまず考えられます。この場合は、新しいフロートゴムに交換することで直します。
しかし、トイレの水が止まらない原因はフロートゴム(排水弁)の劣化だけではなく、次のことが原因である可能性があります。
・フロートゴムがクサリにひっかかって「栓」が開いたままになってしまっている
・タンク内の発泡スチロールにフロートゴムが接触して「栓」が閉じなくなっている
・フロート管が変形している
・ボールタップがタンク内の何かに引っかかって水面まで上がらずに途中で止まっている
・ボールタップの故障
この様な不具合が発生した時は何が原因で水が便器に流れ続けてタンクに溜まらないのかを調べる必要があります。。最初にお客さま宅に修理訪問をすると、お客さまから状況などをお聞きし、修理の前には、必ず点検をしてトイレの状況から原因を調べています。関係のないパーツを交換しても症状はおさまりません。的確に修理をするためには、点検は欠かせないのです。
TOTOトイレの修理事例(劣化したフロートゴムの交換)
さて、ここからは当社が行ったトイレ修理事例をご紹介いたしましょう。
お客さまから「トイレの水が流れ続けてタンクに水が溜まらないので修理に来てほしい」との連絡がありました。すぐに修理訪問をして詳しい事情をお客さまからうかがいます。
朝のお仕事前にトイレを使用して、水を流したそうです。その30分後に準備を整えて、いざ出勤! と思ったら、トイレから水の音が…。ジャージャーと流れているのが聞こえて、不審に思いトイレを確認したお客さま。なぜかトイレ便器に水が流れていました。30分は水が便器に流れていたようで、お客さまは驚かれましたが、これからすぐに仕事に行かなければならないため、修理の時間はありませんでした。トイレのことが気になりつつも、帰宅したらきっと止まるだろうと思い、そのまま出勤したとのこと。その後、午後になって帰宅してトイレを確認したら、やはり水がジャージャー。…直っていなかった!!
トイレタンクにも水が溜まらないので、トイレの使用ができずに不便に思ったお客さまはすぐにネット検索。「トイレ 水が止まらない 修理」と調べたところ、当社のホームページを発見。修理の記事などを見てくださり、お電話をしてくれたのです。ありがとうございます。
なぜこのお宅のトイレで水が流れ続けて、タンクに溜まらないのかは点検しなければわかりません。トイレタンク内の様子を見てみました。
見てみたところ、フロートゴム(排水弁)に劣化が…。お客さまにフロートゴムと言うパーツに劣化が見られること、修理方法、さらに修理費用のお見積りをご案内。すぐに同意をいただけたので、修理作業に入ります。
トイレタンクから古くなったフロートゴム(排水弁)を取り出して、適合する新しいものに交換。作業後に、トイレの水を流してみます。
すると水がジャーっと勢いよく流れていきました。その後、一定時間が過ぎると便器に流れる水は止まり、タンクにも水が溜まっていることをお客さまと確認いたしました。
「仕事から帰ったときは、水がまだ流れていてゾっとしたけれど、その日のうちに修理してもらえてよかった」と言っていただきました。
INAXトイレの修理
INAX(リクシル)社のトイレで水が流れ続けてタンクに水が溜まらないトラブルの原因はTOTO社と同じとは限りません。
INAXトイレの場合は、オーバーフロー管が折れていることが多いです。このオーバーフロー管を新しいものに交換して修理をします。
まれに、応急処置として塩ビ(塩化ビニル)パイプで補修する業者もありますが、この対応ですと、またすぐに再発する可能性があります。そうすると、再びジャージャー、またはチョロチョロと便器に水が流れ続けて止まらなくなることがあるため、最初からオーバーフロー管を交換することをおすすめします。
INAXトイレの修理事例(折れたオーバーフロー管の交換)
最後にINAXトイレの修理事例をご紹介します。
お客さまから、
「トイレ便器に水がジャージャーと流れ続けていて、まったくタンクに水が溜まらないので修理に来てほしい」とのご連絡が入りました。すぐに現場に急行して詳しい事情をおうかがいします。
お客さまはこの日の午前中にトイレを使用され、いつもどおりにジャーっと水を流したそうです。このときは特に違和感はなかったとのこと。その数時間後のお昼過ぎに再びトイレに入ったところ、水がジャージャーと流れていました。お客さまは「え、いつから!?」と思われたそう。しかし、当時はこのお客さまのみが在宅で、他にトイレを使った人なんていませんでした。つまり、数時間前から水がジャージャー流れ続けていたことになります。お客さまによると別の部屋でテレビを観たり、家事をしていたので、気が付かなかったとのこと。慌てて「トイレ 水漏れ 止まらない」とネットで調べたそうです。すると当社のホームページをはじめ、複数の業者のサイトがヒット。いくつか目を通したところ、即日対応をしている当社を選んでくださいました。ありがとうございます。
なぜこのお宅のトイレに便器に水がジャージャーと流れ続けるのか、見てみる必要がありました。
このお宅のトイレメーカーはINAX社。
原因はオーバーフロー管かな…と思いながら、トイレタンクのフタを開けて内部を点検してみます。
するとやはりオーバーフロー管が折れていることが発覚。お客さまにこのことをお伝えします。少し驚かれた表情をされていらしたので、オーバーフロー管は何も衝撃を加えなくても折れることがある旨のご説明をいたしました。トイレタンク内は水がたまっています。つまりタンク内にあるパーツは常に水に浸かっているのです。そのため、衝撃が加わらなくても劣化して破損することがあります。
お客さまに具体的な修理方法と費用のお見積りをご案内。すぐに同意が得られましたので、作業に入ります。古いオーバーフロー管を取り出して、新しいものに交換していきます。下の画像は折れたオーバーフロー管と新しいものを並べて撮影したもの。
上に写るオーバーフロー管に赤丸印をつけました。この部分が破損していた箇所です。新しいものに交換したあとは、通常通りトイレが使えるかチェック。水を流してみると問題なく便器に流れました。しばらく経って、便器に流れる水が止まり、タンク内にも水が溜まっていることをお客さまと一緒に確認することができました。
当社はどのようなトイレメーカーでも修理をしておりますので、まずはお気軽にお問い合わせください。
対応地域
【東日本の対応地域一覧】
【西日本の対応地域一覧】