介護をされる方のご苦労は計り知れないことがあります。大切な家族のケアなので、手を抜かずに頑張っていても、どうしてもトラブルを繰り返してしまうことも…。
トイレに尿取りパッドや紙オムツを流してしまい、トイレがつまるトラブルも少なくはありません。
このページでは、紙オムツや尿取りパッドがトイレにつまったときの対処法とつまらせないための予防策をご紹介しています。
少しでも介護をされる方の負担が減ってお気持ちが楽になればと願ってわたしたちが考えた対策・予防策ですので、ぜひお役立てください。
大さじ2杯の塩を入れて5分ほど待つ
ここでご紹介する塩を入れる方法は、戸建住宅の1階トイレで、トイレのすぐ外側(屋外)に排水マスがあるお宅限定の内容です。
戸建住宅1階のトイレでもトイレの外に排水マスがない場合や、マンションやアパートなどの集合住宅の場合は、この方法を試すと状況が悪化する可能性が高いのでやらないでください。
自分の家のトイレは上記に該当するのか…と気になる方は屋外に出てみて、排水マスをお探しください。
排水マスとは、丸い小さなマンホールのような設備。ご自宅敷地内の地面にあります。「汚水」と書かれていることが多いです。「雨水」と書いてあるものは雨水用の排水マスですので、間違いです。
また、何も書いていない丸型や四角いフタの排水マスもあります。
条件に該当するお宅で、紙オムツ、尿取りパッドを詰まらせた場合は、大さじ2杯の塩をトイレ便器に入れて5分ほど待ってみてください。
なぜ塩? と思いますよね。その疑問、当然だと思います!塩の説明の前にまず吸水ポリマーについて紹介していきます。
紙オムツや尿取りパッドは、吸水ポリマーと呼ばれる素材が使用されています。こちらはとても優れた素材で、水分をあっという間に吸水します。ほとんどの紙オムツや尿取りパッドでこちらの素材が採用されています。水を吸うと、このポリマーが膨張する特徴があります。小さなお子さんを育てたことがある方なら、ご存じかと思います。赤ちゃんのオムツがパンパンに膨らんでいたら、オムツの交換のタイミングかな、と思いますよね。
しかし、吸水ポリマーを使用した紙オムツや尿取りパッドをうっかりトイレに落として流してしまうと、一瞬で水分を吸うため膨張して、トイレ便器内でつまるのです。
さて、ここまでで吸水ポリマーの特徴がわざわいしてトイレがつまることがお分かりいただけたかと思います。膨張しなければ、何とかなるかもしれないのです。そこで塩!
膨張した紙オムツや尿取りパッドが塩を吸収すると一旦は体積がいくらか小さくなります。
トイレ便器に塩を入れるという対処法は、そこまでお金がかかることではありませんので、ご自宅に塩がある場合は、一度試してみてください。
手順
(1)排水マスを開けて中に大きめ(20cm位)の石やブロックを入れて流れてきたオムツやパッドが引っかかる様に置く。
(2)便器内に塩を入れる。しばらくすると紙オムツや尿取りパッドが小さくなり、排水マスまで流れるので、排水マスのフタをあけて取り出す。
調理用の塩(いわゆる食卓塩)はもちろんですが、粗塩でも構いません。
※注意点※
上でも書きましたが大切なことなので再度記載します。
以下に該当するお宅は、塩を入れないようにご注意ください。
・トイレのすぐ外側(屋外)に排水マスがないお宅には塩を入れない
・2階のトイレには塩を入れない
・マンションやアパートなど集合住宅のトイレには塩を入れない
塩を入れると、トイレに詰まっている紙オムツや尿取りパッドが少しの間だけしぼみますので、奥まで流れてしまう可能性があるのです。しかし、その後に再び水を吸って膨張しますので、マンションやアパートなどの立管などに移動してから詰まると、他の入居者にも影響がでます。集合住宅にお住まいの方は、塩を入れないようにお気を付けください。
また、戸建住宅の2階のトイレや排水マスのない1階トイレの場合は、家中全ての排水が流れなくなる可能性があります。
戸建住宅、1階のトイレ、排水マスがトイレのすぐ外側 | 〇 |
戸建住宅2階のトイレ | × |
戸建て住宅、1階のトイレで排水マスがトイレから離れている | × |
マンション、アパート、団地など集合住宅 | × |
水を流さない、ラバーカップ作業などをしない
万が一、紙オムツ、尿取りパッドを流してトイレが詰まったら、どうせ汚れているものだし…と考え、いっそのこと流してしまおう! と思われるかもしれません。
便器に大量の水をジャージャーと流して、排水管まで流そうとお考えになる方もいるかもしれませんが、こちらはおすすめしません。
すでにご紹介したとおり、紙オムツ、尿取りパッドは吸水ポリマーという素材が使用されているので、水分を吸うとあっという間に膨張します。水で押し流そうとしても、トイレ便器内やトイレ排水管内のどこかでつまる可能性が非常に高いです。もしものことがあっても、水は流さないようにしてください。
可能であれば、すぐに業者に修理依頼をして、詰まったあとはトイレを一度も流さない(トイレを使用しない)ことをおすすめします。
そうだ、トイレのつまりと言ったらラバーカップ! と思う方もいますよね。
確かに、ラバーカップはトイレつまりの修理で使用することがあります。ご家庭に1つあると便利。ちなみにラバーカップとは、長い棒状の柄がついたお椀型の道具。
ラバーカップはトイレ修理の道具です。排泄物やトイレットペーパーがつまった時には効果を発揮しますが、尿取りパッドや紙オムツがつまったトイレの修理には不向きです…。
ラバーカップを使って修理をしようとすると、紙オムツや尿取りパッドがさらに奥へ移動してしまい、つまりの状況が悪化する可能性がとても高くなります。
当社は数多くの尿取りパッドや紙オムツがつまったトイレの修理をしてきました。ご家庭でラバーカップを使ったあとのトイレでは、便器の奥まで尿取りパッドや紙オムツがぎっちりと詰まっていることが多いのです。短時間で直せるはずのつまりが、ラバーカップを使ったことで時間がかかることも…。
ラバーカップを使いたいお気持ちも十分にわかりますが、尿取りパッドや紙オムツがつまったトイレには向きませんのでご注意ください。
ラバーカップが使えないなら、どうしたらいいの? と思いますよね。なるべく早く、修理業者を呼ぶことをおすすめします。
当社であれば、即日対応もしておりますので、お急ぎの修理をご希望の方もまずは一度お問合せください。
汚れた紙おむつや尿取りパッドをトイレ便器に捨てる対策
ここからは、紙オムツや尿取りパッドを流してしまったあとの対処法ではなく、流さないための予防策です。可能性があるお宅は、ぜひご参照していただき、予防にお役立てくださいね。
【口頭でお伝えする】
使用済みの尿取りパッドや紙オムツは流さないでね、ゴミはここに入れてね、とお伝えすることも対策としておすすめです。
しかし、ご高齢で認知症を患っている方の場合は、どうしても繰り返してしまうこともあります。
同じことを繰り返し注意するのも精神的に大変ですよね。注意する側、される側、どちらにも良いことではありません。
大切な自分の親であれば、なおさらかと思います。
もし2回以上繰り返してしまう場合は、口頭での説明などはきっぱり諦めて、別の対策をしましょう。
【目立つように「ゴミ箱」とバケツなどに書く】
トイレ便座に腰かけたときに、すぐに目につく場所に大きなふたつきバケツやゴミ箱を設置してください。そこに目立つように「ゴミ箱」と太いマジックで書きます。事前に、尿取りパッドや紙オムツは、ここに入れるとお伝えしておくようにしましょう。
「ゴミ箱」という文字が目に入ると、そちらに使用済みの尿取りパッドや紙オムツを入れてくれる可能性が高いです。
バケツやゴミ箱の設置場所ですが、トイレ便座に腰かけて手を伸ばしやすい場所がおすすめ。
便座に座っても、手が届かない場所にゴミ箱などがあると、「今は捨てにくいから、後にしよう」と後回しにしてしまうことがあります。後回しにしてその後ゴミ箱に処分してもらえたらよいですが、忘れてしまうこともあります。便器に流してしまうこともあり得ますので、気が付いたときにすぐに行動できる位置に置いて工夫してみてください。便器のすぐ横、トイレットペーパーホルダーの真下などがおすすめです。
また、「まだそんなに汚れていないから捨てるのはもったいない…」とゴミ箱に捨ててもらえない場合も。紙オムツや尿取りパッドは洗濯して使うことはできませんが、紙オムツや尿取りパッドを布の下着と思っている可能性もあり得ます。
この場合は、「汚れたもの」、「洗うもの」、「洗濯するもの」とゴミ箱に書いてみるなど、柔軟な対応をしてみましょう。
介護にはさまざまな苦労があるかと思いますが、無理をしすぎないようにしてくださいね。
いつでも家族がついていられるのであれば、尿取りパッドや紙オムツによるトイレ詰まりはある程度防げるかもしれません。しかし、24時間いつでもつきっきりは難しいものです。
これからご紹介する対処法をぜひお試してみてください。
止水栓で水量を調節する
紙オムツや尿取りパッドがトイレに詰まるには、そもそも便器排水口より奥へ流れていく必要があります。そのためには、ある程度の水量を流す必要があるのです。
しかし、トイレ便器に流す水量が少ない場合は、尿などは流れますが、浮きやすい尿取りパッドや紙オムツは流れていきません。
この仕組みを利用して、尿取りパッドや紙オムツを流そうとしても、流れていかない状況を作り出して万が一のトラブルを防ぎましょう。
パッドが流れない水量の目安はタンクの半分以下です。
【止水栓で水量を調整する】
上の画像の赤色丸印でしめしているのは、トイレの止水栓。止水栓(しすいせん)とは水栓金具のことで、こちらを開閉をすると、トイレに供給される水量を調整することが可能です。
止水栓を完全にしめると、水が止まってしまいます。これでは便器に水を流すことがまったくできず、ちょっと不便ですよね…。少しだけ止水栓をあけた状態にしておけば、便器に流れる水量が少なくなりますので、オムツや尿取りパッドが流れていかない状況が作れます。
トイレ止水栓は、トイレタンクの横か床面にありますので、まずお探しください。
止水栓は、マイナスドライバーや100円玉などの硬貨を使って右回り(時計回り)にまわして水量をしぼっていきます。
ご家族の方が外出され、尿取りパッドや紙オムツを使用されている方のみ家にいる場合や、夜間などでトイレの介助ができないときに、このような水量調整をすると、トラブルを防げる可能性があります。
また、ボールタップと呼ばれるパーツを調節することで、トイレタンクの満水量を事前に減らしておくことで、尿取りパッドや紙オムツが流れなくなる可能性もあり得ます。
【水量調整の目安】
止水をする目安ですが、6時間ほどかけてタンクが満水になるくらいに調整をしてみてください。尿取りパッドや紙オムツを使用されている方は2~3時間おきくらいにトイレに行かれるかと思います。それまでに満水になってしまうと、尿取りパッドが紙オムツが流れていってしまいますので、それ以上の時間をかけて満水になるように調整しましょう。
ボールタップでの調節方法についてご紹介していきます。
【ボールタップを使ってタンク内の満水時の水量を減らす】
一部のトイレに限定した内容となりますが、ボールタップというパーツを調整することでタンク内の水を減らすことができるタイプもあります。尿取りパッドや紙オムツが流れないほどの水量にするためには、トイレタンク内の水量が半分以下まで減らす必要があるので、半分まで減らせないトイレは対象外となります。
我が家のトイレはどうだろうと思った時は当社までトイレタンクの品番をお知らせいただき、問い合わせてください。
尿取りパッドや紙オムツを流さないように、トイレの水量を調整したい方は、ご自宅で簡単に調整できるようなボールタップに交換することをおすすめします。
当社はボールタップの交換も承っております。
ボールタップはトイレタンク内にある小さなパーツ。どんなものでも交換ができそうですが、サイズなどが合わないと適合しないこともあるのですよ。
ボールタップでの調整については次のとおりです。
1.タンクのフタをあける
タンクのフタは持ち上げるだけで開くものがあります。陶器製で重いですので取り扱いに注意しましょう。
フタは持ち上げるだけでは開かないタイプもあります。なぜ開かないのかというと、ジャバラ管がナットでつながっているから。
ナットでつながっている場合は、フタを起こして、ナットを手で反時計回り(左回り)にまわしてフタを外してください。
フタを開けると、中蓋があるタイプのタンクもあります。こちらは中蓋を上に持ち上げるだけで開けられますよ。ただしコツが必要。四隅のどこかにくぼみがありますので、そちらに指をかけて真上に持ち上げてください。
2.ボールタップの位置を確認する
上の画像の2つの青色円のうち、左側で示しているものがボールタップです。トイレタンクの上部、側面にありますので、お探しください。探そうとして、トイレタンク内のいろいろなパーツを触ってしまうと、破損の心配もありますので、可能な限り他のパーツは触らないようにしてください。
紙おむつや尿取りパッドを自分で取り出せるトイレ便器
トイレに尿取りパッドや紙オムツを流してトイレがつまっても、自分で直せる可能性のあるトイレがあります。
上の画像のトイレ便器側面には、「掃除口」と呼ばれるパーツがあります。万が一に、便器に尿取りパッドや紙オムツを流してしまってもこの掃除口からつまりの原因を取り出せる可能性があるのです。
参考:TOTO
掃除口は普段はフタがされていますが、トイレに尿取りパッドやオムツが詰まった時はこのフタを開けて取り出せる優れものです。こちらは簡単に取り外しができますので、万が一のことがあってもご家庭でつまりの修理をすることができる可能性があります。
認知症をわずらっていらっしゃるご家族がいるお宅ではこのトイレに交換をご希望されることが増えています。
取り出し方は、掃除口のフタをあけて、トングなどを使い掃除口から尿取りパッドなど詰まったものを取り出すだけです。掃除口のフは、ねじ止め式ですので、簡単に開閉が可能です。
当社はトイレつまりの修理はもちろんですが、トイレ交換工事も行っております。何度もトイレつまりを繰り返していてお悩みの方は、掃除口トイレにすると一気に楽になるかもしれませんので、ぜひご検討ください。
お問い合せ / お申込み
フリーダイヤル:0120-921-757
※メールフォームはこちら
朝7時から夜8時まで土日も営業
対応地域
【東日本の対応地域一覧】
【西日本の対応地域一覧】