トイレつまりの修理は、具体的にどの箇所が詰まっているのかによって作業方法が異なります。
トイレ便器の中で詰まりがある場合は、ラバーカップ作業や異物の取り出し作業を行います。
詰まっている箇所がトイレ排水管の場合は、排水管つまりの解消作業を行うのです。
このページでは、そのトイレ排水管のつまりについて詳しく解説をしています。
トイレ排水管とはなにか、トイレ排水管がつまる原因とはなにか、トイレ排水管がつまる前兆(前触れ、予兆)、症状はあるのか、実際に行った修理事例について記載していますので、最後まで読んで参考にしてみてください。
トイレ排水管が詰まる原因
トイレ便器から流れた排泄物やトイレットペーパーは、床下や地中に埋めてあるトイレ排水管を通って下水に流れていきます。トイレ排水管は排泄物やトイレットペーパーを含む汚水が流れるパイプだとお考えください。
トイレ排水管はつまることがありますので、その原因を見てみましょう。
- 嘔吐によるラードの付着
- ラーメンスープなどを便器に流し続けることによるラードの付着
- 糖尿病薬による黒いものが付着
- 木の根の侵入
- 排水管の割れ
- 節水トイレに交換してから1ヶ月から3ヶ月後のつまり
- 異物の混入
それぞれの原因について詳しく見てみましょう。
【嘔吐によるラードの付着】
病気が原因でトイレで頻繁に嘔吐される方がいらっしゃいます。吐しゃ物に含まれる油分がトイレ排水管内部に付着していって、厚みを増すと、徐々に汚水が流れる通路が狭くなることで詰まりが発生しやすくなります。
たまたま体調が悪くて一度か二度だけトイレで嘔吐したくらいはつまる心配はありませんが、日常的に嘔吐をされるお宅は注意が必要です。
【ラーメンスープなどを流すことによるラードの付着】
ラーメンスープなどにはラードが含まれます。ニオイが出るのが気になり、トイレ便器に流してしまう方もいらっしゃいますが、流すと排水管つまりの原因となりますので、おすすめはしません。
一度だけラーメンスープなどを流すのであれば問題ありませんが、日常的に流しているとラードがどんどん蓄積して、やがてつまりが発生します。
【糖尿病薬による黒いモコモコとした付着物】
糖尿病患者に処方される薬を服薬されている方がいらっしゃる家庭のトイレ排水管には、黒いモコモコとした厚みのある付着物がつきやすい傾向にあります。また糖尿病の薬ほどではありませんが、パニック障害の方に処方される薬でもこのような付着物がつくことがあります。
【木の根の侵入】
トイレ排水管は屋外の地面に埋められています。お庭に樹木を植えているお宅では、樹木の根が排水管を突き破って侵入し、つまりを引き起こすこともあるのです。木の根は生命力が強くアスファルトを押し上げるほど。庭木を多く植えているお宅には起こりやすいトラブルです。
【排水管の割れ】
地盤沈下や土地の陥没などで地面に埋められている排水管が割れることがあります。もしも排水管が割れたら、破損個所を新しい排水管に交換して修理をします。
【節水トイレ交換後】
節水トイレは、トイレ洗浄時の水量が一般的なトイレと比べて少ないタイプのトイレです。トイレ排水管の一部が隆起していたり、逆に窪んでいる場合に、流す水量の少ない節水トイレに交換することで、つまりを引き起こす可能性があります。
交換したばかりのときは問題なく流れていきますが、流れきれなかった排泄物やトイレットペーパーが排水管内部にたまります。詰まりかけの状態がしばらく続き、節水トイレ交換後数か月して、トイレが完全に詰まることがあるのです。
【異物の混入】
トイレに本来流すものではない固形物のことをここでは異物(いぶつ)と呼びます。トイレットペーパーや排泄物以外のものです。トイレットペーパーや排泄物以外のものをトイレに流すと、高い確率でつまりますので、注意が必要です。
前兆と症状
排水管内部でつまりがあると、最終的には、ご自宅内すべての排水が流れていかなくなります。トイレだけでなく、キッチン、洗面所、風呂場なども詰まる可能性がありますので、前兆がある場合は早めに気が付いて、あちこちがつまる前に修理依頼をしましょう。
…とは言っても、前兆ってどんな? とほとんどの方が思うはず。排水管つまりの前兆をいくつか記載しますので、当てはまるかどうか、見てみてください。
〇排水管つまりの前兆とは〇
- トイレの水を流すと、最後にゴゴッという音がする。水たまりが少ない。
- トイレの水を流すと、最後に水面が上がる
- 以前と比べて湯舟(バスタブ)の排水に時間がかかる
- 【戸建て住宅の場合】排水マスのまわりが濡れている、トイレットペーパーが地面に付着している
これだけではわかりにくいので、詳しく解説していきますね。
【トイレを流すとゴゴッという音がして、水たまりが少ない】
トイレの水を流した際に、ジャー! と音がするのは当然ですが、最後にゴゴッといういつもと違う音がしたら、トイレつまりの前兆の可能性があります。また便器内には水が溜まっていますが、その水が少ないのもつまりの可能性があります。
【トイレの水を流すと最初に水面が上がる】
トイレを流すと、タンクから水が流れて便器に水がたまります。最初に水が逆流して水面が上がる症状はつまりの前兆ですので、ご注意ください。
【湯舟の排水に時間がかかる】
排水管がつまりかけていると、バスタブに溜まった湯や水を抜く時間がいつもよりかかることがあります。トイレのつまりの話でなぜ風呂場の湯舟? とみなさん思いますよね。
トイレから流れる水も、風呂場から流れる水も、いずれ同じ排水管に到達します。そのため、風呂場の排水でつまりがあると、トイレでもつまる可能性もあり得るのです。
【排水マスの周囲が濡れている、トイレットペーパーが付着している】
戸建て住宅の家のまわりにある円形や四角いフタの設備を排水マスといいます。
トイレで流した汚水はこの排水マスを通過して下水へと流れていくため、トイレ排水管がつまると排水マスのフタから水があふれることがあり、周囲が濡れていることや、トイレットペーパーが地面に付着していることがあるのです。
晴れているにも関わらず、排水マスの周囲が濡れている、水たまりがある場合は、つまりの可能性があります。トイレットペーパーが地面に付着している場合は、かなりの確率でつまりが疑われますので、業者に修理依頼をしてください。
排水管内にラードや黒いものが付着した修理
さて、ここからは当社が実際に行った修理事例を紹介していきます。
お客さまから「トイレがつまってしまって、まったく水が流れないので修理に来てほしい」との連絡がありました。
すぐに現場へ急行して、詳しい事情をお客さまからうかがいました。
お客さまによると、少し前からトイレの水の流れが悪いと感じていたそうです。具体的には、トイレットペーパーが流れきれずに、戻ってくるという症状があったそうです。
そして、今思えば…と前置きをして、トイレからゴゴッという音がしていたと。
トイレからゴゴッという普段聞かない異音がしてもあまり気になさらない方もいらっしゃいますよね。この音がする前にトイレ室内を後にする方も。毎日チェックする必要はありませんが、ときどき異音がないか見てみてください。もしも、異音があればつまりの可能性を疑い、必要に応じて修理依頼することをおすすめします。
さて、話題を現場に戻します。
トイレを点検したところ、便器内にはつまりがなく、トイレ排水管がつまっていることが判明しました。
お客さまに、ラード状のものがつまっていること、修理をするにはトイレ便器を床面から取り外して高圧洗浄をする必要があることをご案内。さらに修理に関する費用についてもお客さまにお伝えしました。
お客さまから同意を得ることができたので、便器を床面から取り外して高圧洗浄をします。
排水マス内部を撮影したものがこちら。下の画像は高圧洗浄前のもの。厚みのあるラード状の白っぽいものが付着しているのが見えますでしょうか。
高圧洗浄後の排水マスは下の画像です。
2枚の画像を見比べてみてください。奥の方に写る、白いラードが取れているのがおわかりになるかと思います。
高圧洗浄機から出る高い負荷をかけた水を流したことで、ラードをはじめ排水管内の付着物を取り除くことができました。
トイレ室内に行って、水の流れがスムーズになっていることをお客さまと一緒に確認済みです。
お客さまによると、鍋の残り汁やラーメンスープなどはニオイがでるのが気になり、キッチンではなくトイレに日常的に流しているとのこと。まさかつまるとは思わなかったとおっしゃるお客さま。ニオイが気になる気持ちはよくわかります。
修理後に、ラードなどを含む汁ものを、やむなく流す場合は、キッチン排水口に湯を流しながらがよいことをお伝えさせていただきました。
節水トイレに交換して1か月から3か月後のつまり
ここでは別のお宅での修理事例です。
「2ヶ月前にトイレを交換したばかりなのに、トイレがつまったので見に来てほしい」とのお電話がありましたので、修理訪問をします。
お客さまから詳しい事情をうかがうと、2ヶ月ほど前にトイレを節水トイレに交換したばかりだそう。(他社さまで交換工事をしたとのこと)
節水トイレは、環境にやさしいものでエコの観点からもよいですよね。しかし、すでにご紹介したように洗浄時の水量が少ないためつまりを引き起こすこともあるのです。
トイレの点検をしたところ、トイレ排水管に付着物がたまっていてつまりを引き起こしていました。このことをお客さまにお伝えし、今回は高圧洗浄をして修理をすること、修理費用のお見積りをご案内しました。すぐにお客さまから同意を得ることができたので、高圧洗浄をしています。
水量が少ないままでは再び詰まりを引き起こしてしまいますので、お客さまに同意を得た上で、トイレタンクのフタをあけて、洗浄時の水量設定を増やして対処しました。
木の根の混入や排水管の割れ
最後にもう1件だけ修理事例にお付き合いください。
「トイレが繰り返してつまるので、修理にいて欲しい」とのお電話がありましたので、現場に修理訪問をして詳しいお話をお客さまに聞いてみました。
1週間ほど前にトイレが詰まり、そのときは自宅にあるラバーカップでお客さま自身で対処なさったとのこと。そのときは、すぐに直り、また問題なくトイレが使えたそうです。しかし、また数日後にトイレがつまり、再びラバーカップを使って何とか直したとおっしゃるお客さま。今回でつまるのは3回めとのこと。うーん、これはちょっと頻繁ですよね…。
こんなに頻繁につまるのはおかしいと思ったお客さまはスマホで「トイレ 繰り返しつまる」と検索。いくつかの業者のホームページがヒット。なかでも繰り返しつまるトイレの修理事例が豊富な当社に依頼をしてくださいました。選んでくださり、ありがとうございます!
お客さまがおっしゃるように確かにトイレの水の流れが悪くつまっています。屋外の排水マスを点検したところ、排水管内部につまりがあるのがわかりましたので、お客さまにお伝えしました。
高圧洗浄機やトーラー作業をして、詰まっているものをまず取り除いてみます。すると、見えてきたのは木の根。こちらのお宅は鉢植えではなく、地植えで植物を楽しまれていました。
植物を植えるのはとても素敵なこと。しかし、既に紹介したように、生命力の強い植物の根が、排水管を突き破り、根や土が入り込むことがあるのです。
お客さまに木の根がつまっていることをお伝え。さらに、道具を使って根を取り除き、破損した排水管の一部を新しいものに交換する必要があるとお話させていただき、修理費用もご案内しました。
お客さまから同意を得ることができたので、作業をはじめます。丁寧に排水管に入り込んだ木の根を取り除き、排水管を新しいものへと交換。
トイレ室内に行き、水を流したところ、水はスムーズに流れていくことをお客さまと一緒に確認しました。
トイレ排水管のつまりの原因は複数あることがわかりました。その原因によって修理は異なります。当社はトイレ排水管つまりの修理事例が豊富な業者。
プロの目でトイレつまりの原因を見極め、熟練の技術で修理をしていきます。必ず修理前にお見積りをお客さまに提示し、同意を得てからの作業を心がけていますので、ご安心して依頼していただけたらと思います。
どんなトイレつまりでもお任せください!